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~ 新旧王者が激突! ~ 金沢・第59回百万石賞

小川です。今回は、6月12日に金沢競馬場で行われた伝統の重賞「百万石賞」を取り上げます。

 今年で59回目を迎えた百万石賞。昨年までと大きく変わったのは、従来の2300mから2100mに変更されたこと。秋に行われる「白山大賞典」と同じ距離で施行されることになりました。

 過去には、トラベラー、ホシオー、ビッグドン、ノーブルシーズなど、金沢競馬を代表する馬たちが制した伝統の一戦。過去13年の百万石賞につきましては、下記の記事をご覧ください。

 百万石賞 2003 ~ 2008年
 
 百万石賞 2009 ~ 2014年

 百万石賞 2015年

 今年は9頭立てで行われた百万石賞。グルームアイランド、ナムラダイキチ、ジャングルスマイルの金沢競馬新旧王者の対決に、注目が集まりました。

今年の出走馬

 ①ナムラダイキチ 1_1_1 ①ナムラダイキチ 3_1_1 ①ナムラダイキチ
 ②ヤマノミラクル 1_1 ②ヤマノミラクル 3_1 ②ヤマノミラクル & 瀧川寿希也騎手[川崎]
 ③バルタンセージ 1_1 ③バルタンセージ 2_1 ③バルタンセージ & 川原正一騎手[兵庫]
 ④カフジスター_1 ④カフジスター
 ⑤トニーポケット 1_1 ⑤トニーポケット 2_1 ⑤トニーポケット & 田中学騎手[兵庫]
 ⑥グルームアイランド 1_1 ⑥グルームアイランド 3_1 ⑥グルームアイランド
 ⑦ジャングルスマイル 1_1 ⑦ジャングルスマイル
 ⑧エムティサラ_1 ⑧エムティサラ
 ⑨トウショウプライド_1 ⑨トウショウプライド  

 圧倒的1番人気の支持を集めたのは、今年のお正月に川崎の報知オールスターカップ(SⅢ)を制し、前走の笠松・オグリキャップ記念も制したグルームアイランド。2番人気には、2013~2014年の百万石賞の覇者ナムラダイキチ。3番人気は、兵庫の川原正一騎手を鞍上に起用したバルタンセージ。4番人気には、今年に入ってから4戦3勝のトウショウプライド。5番人気は、兵庫の田中学騎手を鞍上に起用したトニーポケット。昨年の覇者で、百万石賞4勝の古豪ジャングルスマイルは、最終的に6番人気でした。

 スタートしてハナに立ったのはジャングルスマイル。トウショウプライドもこれに続き、1周目の3コーナーでトウショウプライドが先頭に立ち、1周目のゴール前を通過。ジャングルスマイルが少し離れた2番手を進み、バルタンセージが3番手。ナムラダイキチは4番手のポジションで、圧倒的1番人気のグルームアイランドはナムラダイキチをマークする形でレースを進めます。

 レース 1_1_1 スタート直後の様子

 レース 2_1 1周目のゴール前 先頭はトウショウプライド

 縦長の展開で向正面へと向かう各馬。先頭のトウショウプライドに再びジャングルスマイルが並びかけると、ナムラダイキチとグルームアイランドの2頭も動き始めます。3コーナーで再び先頭に立ったジャングルスマイル。トウショウプライドもこれに食い下がり、離されまいと喰らいつきます。人気のグルームアイランドとナムラダイキチは反応が悪く、前を行く2頭との差を詰められないまま。勝負の行方は、最後の直線へと向かいます。

 直線に入ると、逃げ込みを図るジャングルスマイルと再び差を詰めるトウショウプライド。そして、直後に迫るナムラダイキチと、ようやくエンジンがかかり追い上げるグルームアイランドの4頭の争いに。最後はジャングルスマイルが押し切り、1/2馬身差で昨年に続く勝利。2着には終始先行争いを演じたトウショウプライドが入線。圧倒的1番人気のグルームアイランドは直線で追い上げるも、勝負どころでのもたつきが響き3着まで。同じく勝負どころで前との差を詰められなかったナムラダイキチは、直線でも伸びを欠き、4着という結果に終わりました。

 レース 3_1 直線の攻防

 最後はジャングルスマイルが押し切り、5度目となる百万石賞制覇を飾りました。

 百万石賞 1 百万石賞 2 Photo:Ryota Wakamatsu

 金沢 第59回百万石賞 結果

 口取り 2_1 今年で10歳ながら、百万石賞5勝目のジャングルスマイル

 口取り_1 恒例の、ミス百万石との口取り

 表彰式:金田調教師_1 管理する金田一昌調教師

 表彰式:田知騎手_1 初騎乗で勝利に導いた、田知弘久騎手

田知弘久騎手 コメント

 「乗り役と厩務員が何度か変わっていますが、そのたびに重賞をプレゼントしてきた馬。僕にも(重賞勝ちを)プレゼントしてくれてうれしいです。またこの馬とがんばっていきますので、これからも応援よろしくお願いします。」

 これで前人未到の百万石賞5勝目となったジャングルスマイル。古豪健在を見せつけた一戦でした。なかなかタイトルに手が届かない中日杯も、ぜひ制してほしいですね。

ジャングルスマイル[牡10] 金沢・金田一昌厩舎

 父:ジャングルポケット 母:サトルスマイル(母の父:バブルガムフェロー)
 生産者:社台ファーム(北海道千歳市)
 馬主:前迫 義幸 氏
 通算成績(2016年6月12日現在):76戦38勝(内 JRA2戦0勝)

重賞勝ち鞍

 2010年6月20日 金沢 百万石賞
 2011年6月19日 金沢 百万石賞
 2011年9月6日 金沢 イヌワシ賞
 2011年11月13日 金沢 北國王冠
 2012年4月27日 笠松 オグリキャップ記念[SPⅠ]
 2012年6月17日 金沢 百万石賞
 2015年6月14日 金沢 百万石賞
 2015年9月8日 金沢 イヌワシ賞
 2015年11月15日 金沢 北國王冠
 2016年6月12日 金沢 百万石賞
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~ ダービー馬の栄冠はどの馬に? ~ 大井・第62回東京ダービー(SⅠ)

小川です。今回は南関東クラシック2冠目の、「東京ダービー(SⅠ)」を取り上げます。

 今年で62回目となる東京ダービー(SⅠ)。南関東のクラシック競走体系がアメリカンスタイルに変更されたのが1996年。今年は、アメリカンスタイルとなってから20年目となります。昨年の東京ダービーと過去の東京ダービーについては、昨年の記事をご覧ください。

 今年も16頭のフルゲートとなった東京ダービーでしたが、東京ダービートライアルの優勝馬ラブレオが取消となったため15頭立てに。羽田盃を制したタービランスに、羽田盃2~5着馬が揃って駒を進めたほか、東京湾カップの1・2着馬も出走。牝馬は4頭出走しましたが、牝馬クラシックからは、桜花賞馬モダンウーマン、東京プリンセス賞馬リンダリンダ、牝馬クラシックで善戦したスアデラの3頭が参戦。そして、JRAから移籍初戦となるバルダッサーレも出走し、様々な路線から集まった15頭により争われました。

今年の出走馬

 ①ディーズプリモ 1_3_1 ②ガーニーフラップ 1_1_1 ③モリデンルンバ 1_1 ④グランユニヴェール 1_1
 ⑤トロヴァオ 1_1 ⑥バルダッサーレ 1_1 ⑦アンサンブルライフ 1_1 ⑨サブノクロヒョウ 1_1
 ⑩モダンウーマン 1_1_1 ⑪ジャーニーマン 1_1_1 ⑫プレイザゲーム 1_1 ⑬リンダリンダ 1_1
 ⑭スアデラ 1_1 ⑮タービランス 1_1 ⑯ウワサノモンジロウ 2_1

 1番人気は羽田盃馬タービランス、2番人気に羽田盃2着のトロヴァオ、3番人気が転入初戦のバルダッサーレという順で支持を集めた今年の東京ダービー。3頭出走した牝馬は、4番人気リンダリンダ、7番人気モダンウーマン、8番人気スアデラという支持。悲願の東京ダービー制覇がかかる的場文男騎手のアンサンブルライフは、最終的に6番人気の支持を集めました。

 スタートしてハナに立ったのは、東京湾カップを制したディーズプリモ。しかし、大外からウワサノモンジロウが並びかけペースは上がります。この2頭を見る形でタービランス、リンダリンダ、アンサンブルライフらが先団を形成し、1コーナーへと入ります。

  レース 2_2_1 ハナに立つディーズプリモ

 向正面に入ると、ウワサノモンジロウが後退。中団では、抑えきれない手応えでバルダッサーレがポジションを上げます。逃げたディーズプリモはハイペースの逃げがたたってか、3コーナーで捕まり後退。各馬が一気に動き出しますが、早めに仕掛けたタービランスが先頭に立ちますが、外からバルダッサーレが並びかけ、直線へと入ります。

 直線に入ると、バルダッサーレがタービランスとの差を一気に広げ、独走態勢に。後続の2着争いを尻目に、終わってみれば7馬身の差をつけ優勝。転入初戦でしたが、圧勝で第62代東京ダービー馬に輝きました。2着には、内から伸びてきた14番人気のプレイザゲームが入り、1番人気のタービランスは3着という結果に終わりました。4頭参戦した牝馬は、モダンウーマンの6着が最先着でした。

  レース 4_1  大井・第62回東京ダービー(SⅠ) 結果

  ⑥バルダッサーレ 3_1_1 吉原寛人騎手は、ハッピースプリントに続き東京ダービー2勝目

  ⑫プレイザゲーム 2_1 プレイザゲームは14番人気ながら2着に入線

  ⑮タービランス 2_1 タービランスは3着で、残念ながら2冠ならず

  ⑩モダンウーマン 4_1_1 牝馬最先着の6着 桜花賞馬モダンウーマン

 中道啓二調教師は、これが重賞初制覇。バルダッサーレの次走は、ジャパンダートダービー(JpnⅠ)を予定しています。

  口取り_1_1 表彰式_1 表彰式:記念撮影 1_1

  EN4A1531_1.jpg 吉原寛人騎手  EN4A1506_1.jpg 中道啓二調教師

吉原寛人騎手コメント

 「強かったですね。馬場見せで乗せていただいた時、率直で乗りやすい馬だと感じました。道中は御せていない感じで上がっていったのでヤバいかなと感じましたが、相当強かったですね。(転入初戦で)一発勝負だったので、勝ててよかったです。次走はジャパンダートダービーになると思いますが、応援よろしくお願いします。」

 次走はJRA所属馬たちを迎え撃つことになるバルダッサーレ。果たしてどんな走りをみせるのか、注目したいところです。


バルダッサーレ[牡3]  大井 中道 啓二 厩舎

 父:アンライバルド 母:メイルリヒト(母の父:フジキセキ)
 生産者:サンシャイン牧場(北海道沙流郡日高町)
 馬主:伊達 敏明 氏
 通算成績(2016年6月8日現在):14戦3勝(内 JRA 13戦2勝)

重賞勝ち鞍

 2016年6月8日 大井 東京ダービー(SⅠ)

ソルテ ダートグレード初制覇 ~第20回さきたま杯(JpnⅡ)~

若松です。
久々になりますが、今回は6月1日浦和競馬場で行われたダートグレードレース第20回さきたま杯(JpnII)を取り上げます。
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さきたま杯は、ダート1400mで行われる地方交流競走で今回は、中央からホワイトフーガ、ベストウォーリア、ドリームバレンチノ、コーリンベリーのJpnI馬4頭、地方他地区から岩手のラブバレット、笠松のタッチデュールの2頭、
地元南関東からサトノタイガー、ソルテ、メジャーアスリート、パーティメーカー、カーティスバローズ、ゴーディーの6頭計12頭が出走しました。

■出走馬(馬番順)
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(写真:小川慎介)

スタート後スピードを上げて先頭に立ったのは、前走かしわ記念2着のソルテ。続いてコーリンベリー、サトノタイガー、ベストウォーリアが続く展開。
4番人気のホワイトフーガ、5番人気のドリームバレンチのは中団から。

■スタート直後
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■1周目ゴール前
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向こう上面でベストウォーリアが徐々にペースアップし2番手に進出。逃げるソルテを捉えようとするも、直線に入ってソルテは一気ペースアップ。
そのままベストウォーリアら後続を振り切り2着に1 1/2馬差をつけて優勝。勝ちタイムは1分25秒9でした。ソルテは、2月のフジノウェーブ記念に勝利後今年重賞2勝目で
ダートグレードレースは、初勝利でした。

■最後の直線
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■ゴール前
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■ゴール直後
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■口取り・表彰式
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(写真:小川慎介)

★吉原寛人騎手コメント

 「ソルテを信じて乗っていたので、『強かった!』の一言ですね。絶好の4枠でしたが、スタートさえ決めれば先手は取れると思っていました。いつも通り好スタートを決めてくれたので、楽に先手が取れました。1~2コーナーではもう少し絡まれるかなと思っていましたが、思っていたよりもゆっくり走れて息も入れられたし、最後は踏ん張ってくれると信じて乗っていました。直線も手応え十分で、強かったですね。前走で連勝は止まりましたが、かしわ記念で強いところを見せてくれたので、さきたま杯も勝てるチャンスと思っていましたし、しっかり勝つことができてうれしかったですね。これからもソルテはまだまだ頑張ってくれると思うので、応援よろしくお願い します。」



★ソルテ[牡6]  大井 寺田 新太郎 厩舎

 父:タイムパラドックス 母:ヒノデモンテローザ(母の父:マルゼンスキー)
 生産者:下村繁正(北海道日高郡新ひだか町)
 馬主:株式会社フロンティア・キリー
 通算成績:32戦14勝(2016年6月1日現在)

 重賞勝ち鞍

 2012年11月14日 大井・ハイセイコー記念(SⅡ)
 2013年1月16日 浦和・ニューイヤーカップ(SⅢ)
 2015年5月13日 川崎・川崎マイラーズ(SⅢ)
 2015年6月17日 船橋・京成盃グランドマイラーズ(SⅢ)
 2015年7月29日 大井・サンタアニタトロフィー(SⅢ)
 2015年11月4日 大井・マイルグランプリ(SⅡ)
 2015年12月22日 浦和・ゴールドカップ(SⅢ)
 2016年2月24日 大井・フジノウェーブ記念(SⅢ)
 2016年6月1日 浦和・さきたま杯(JpnⅡ)
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~ 南関東に新星誕生なるか? ~ 川崎・第8回川崎マイラーズ(SⅢ)

小川です。今回は5月25日に行われた、「川崎マイラーズ(SⅢ)」を取り上げます。

 「川崎マイラーズ(SⅢ)」は、2009年に創設された重賞で、今年で8回目。歴史の浅い重賞ですが、2014年はサトノタイガーが、昨年はソルテが制しており、のちにダートグレード競走でも活躍しています。なお、歴代の優勝馬は下記の通りです。

  2009年(第1回) ノースダンデー[船橋]  林 正人 厩舎
  2010年(第2回) イーグルショウ[大井]  山藤 統宏 厩舎
  2011年(第3回) ザッハーマイン[船橋]  出川 克己 厩舎
  2012年(第4回) カキツバタロイヤル[船橋]  凾館 一昭 厩舎
  2013年(第5回) スマートジョーカー[船橋] 川島 正一 厩舎
  2014年(第6回) サトノタイガー[浦和]  小久保 智 厩舎
  2015年(第7回) ソルテ[大井]  寺田 新太郎 厩舎

 今年は、重賞勝ち馬4頭を含む11頭が出走。1番人気は出走馬中唯一の牝馬で、この日、スポット参戦の岩田康誠が騎乗するブルーチッパー。2番人気は、南関東転入後、まだ掲示板を外していないモンサンカノープス。3番人気は、昨年12月のゴールドカップ以来の重賞挑戦となるレガルスイ。4番人気は地元川崎のバーンザワールドが、それぞれ支持を集めました。

今年の出走馬

 ①ポイントプラス 1_1_1 ②モンサンカノープス 1_1 ③ガンマーバースト 1_1 ④ドレミファドン 1_1
 ⑤バーンザワールド 1_1 ⑥ジェネラルグラント 1_1 ⑦ミラーコロ 1_1 ⑧ブルーチッパー 1_1
 ⑨セイントメモリー 1_1 ⑩シンキングマシーン 1_1 ⑪レガルスイ 1_1

 1番人気のブルーチッパーが出遅れてのスタートとなった、今年の川崎マイラーズ。セイントメモリーがハナを窺いますが、外枠のレガルスイが先手を主張しハナへ。出遅れたブルーチッパーは、遅れを取り戻そうと脚を使って2番手まで押し上げ、各馬1コーナーへと入ります。

  レース 1_1_1 レース 2_1 1周目の先行争い

 向正面に入っても、レガルスイがレースを引っ張り一団で進みますが、シンキングマシーンはおっつけながらの追走で早々と手応えが怪しくなり脱落。3コーナーに差し掛かると、スタートで脚を使ってしまった影響か、ブルーチッパーも後退。代わりに中団からレースを進めていたモンサンカノープスが仕掛け2番手に進出し、勝負は直線へと入ります。

 直線に入ると、逃げるレガルスイと追いかけるモンサンカノープスが後続を引き離し、勝負はこの2頭に。逃げるレガルスイでしたが、徐々にモンサンカノープスがその差を詰めると、ゴール直前でモンサンカノープスがレガルスイを捕え、1/2馬身差で優勝。

  レース 6_1  第8回川崎マイラーズ(SⅢ) 結果

  EN4A0552_1_1.jpg EN4A0565_1.jpg 喜びを分かち合う、矢野騎手と秋葉厩務員

 重賞は2月の船橋・報知グランプリカップ(SⅢ)以来、2度目の挑戦でしたが、うれしい重賞初制覇となりました。

  口取り 2_1 口取り 3_1 0P5C0078_1_1.jpg

矢野貴之騎手 コメント

 「転入初戦からずっと乗せていただいている馬なので、結果を残せてホッとしています。状態はよかったですし、いかに流れに乗るかを考えて乗りました。直線も伸びる手応えがありましたが、相手(レガルスイ)もしぶとかったのでヒヤヒヤしました。勝利を確信したのは半馬身出てから。これでもう、大丈夫かなと思いました。(まだ5歳で)勢いもあるし、これからのレースも楽しみにしています。ソルテのように連勝できる馬だと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。」

川島正一調教師 コメント

 「やっと、重賞を勝てるまでに馬を作ることができましたね。時計的には通用すると思っていたが、今日はハマりましたね。矢野騎手には、中団から前々でレースをして直線勝負でと話しました。今日は矢野騎手が完璧に乗ってくれましたね。このあとはオーナーと相談して、一息入れるか考えます。適性距離はマイルあたりなので、秋以降はそのあたりを中心に使っていこうかと思います。今日は結果が出せてよかったです。」

 これで南関東転入後、12戦9勝となったモンサンカノープス。川崎マイラーズの勝利をきっかけに、サトノタイガーやソルテのように飛躍を遂げてほしいですね。今後は南関東のエースとして、ダートグレード競走での活躍を期待したいところです。

モンサンカノープス[牡5]  船橋 川島 正一 厩舎

 父:アグネスデジタル 母:ピアソラ(母の父:Quiet American)

 生産者:川島牧場(北海道新冠郡新冠町)
 馬主:小國 和紀 氏
 通算成績(2016年5月25日現在):25戦10勝(内 JRA 13戦1勝)
 
重賞勝ち鞍

 2016年5月25日 川崎 川崎マイラーズ(SⅢ)


~ 伝統の重賞は記録ずくめの一戦に ~ 大井・第61回大井記念(SⅡ)

小川です。まだ5月の後半ですが、気候は既に初夏といえる日々。体調を崩しやすい時期でもあるので、みなさまも体調管理にはお気を付けください。今回は、大井競馬伝統の重賞の大井記念(SⅡ)を取り上げます。

 大井記念の歴史と昨年のレースについては、昨年の記事をご参照ください。

 今年もフルゲートとなった大井記念。16頭中8頭が重賞ウイナーという豪華な顔ぶれでしたが、キスミープリンスとモンテエンが競走除外となったため、14頭立てに。1番人気は、昨夏に南関東移籍後、堅実な成績のケイアイレオーネ[大井]。2番人気は、今年の金盃の優勝馬で高知の赤岡修次騎手を起用したジャルディーノ[大井]。3番人気は、昨年のマーキュリーカップを制し、金沢の吉原寛人騎手で臨むユーロビート[大井]。4番人気には、昨年、笹川翼騎手に初重賞をもたらしたムサシキングオー[大井]と、大井勢が人気を集めました。

今年の出走馬

 ①グランディオーソ 1_2_1 ②ケイアイレオーネ 1_2_1 ③ノーキディング 1_1 ④カキツバタロイヤル 1_1
 ⑤トーセンアレス 1_1 ⑥ジャルディーノ 1_1 ⑦ムサシキングオー 1_1 ⑧スコペルタ 1_1
 ⑩フォーティファイド 1_1 ⑪フジノフェアリー 1_1 ⑫ナリチュウドラゴン 1_1 ⑭ユーロビート 1_1
 ⑮ストゥディウム 1_1 ⑯クラージュドール 17_1

 14頭、大きな出遅れもなくスタートした今年の大井記念。ノーキディングとムサシキングオーが並びますが、ハナに立ったのはノーキディング。2頭の直後にケイアイレオーネがつけ、ユーロビート、スコペルタ、ジャルディーノがそれを見る形での位置取りで、人気馬は前々からの競馬。出走馬中、唯一の4歳馬で昨年の羽田盃馬のストゥディウムは、後方からじっくりと前を見る形でレースを進めます。

  レース_1_1 1周目のゴール前

 向正面に入ってからも、一団で馬群が詰まった状態でレースは続きますが、3コーナーでケイアイレオーネが逃げるノーキディングに並びかけ、4コーナーで先頭に。ジャルディーノもこれをみて動きますが、ケイアイレオーネとの差を詰められないまま直線に入ります。

 直線に入ると、後続との差を一気に広げたケイアイレオーネ。これを追うジャルディーノも仕掛けますが、ケイアイレオーネとの差は広がるいっぽうで、残り200mではケイアイレオーネが独走。ユーロビートも直線でじわじわと上がってきましたが、時すでに遅しでクラージュドールとの2着争いまで。

 終わってみれば、ケイアイレオーネが4馬身の差をつけ、南関東移籍後、待望の重賞初制覇。鞍上の的場文男騎手は、大井記念はこれで9勝目。管理する佐宗応和調教師は、これが初の重賞制覇。さらに、的場文男騎手は自身の持つ地方競馬最高齢重賞勝利を自ら更新し、これが59歳8ヶ月と11日での重賞制覇と、記録ずくめの大井記念となりました。

  レース 3_1_1  大井 第61回大井記念(SⅡ) 結果

 南関東移籍後、重賞では堅実も、なかなかタイトルに手が届かなかったケイアイレオーネ。今までの鬱憤を晴らすような快勝で重賞初制覇。

  口取り 2_1 口取り 3_1 表彰式:記念撮影_1

 管理する佐宗応和調教師は、騎手時代は1996年にオグリダンディで全日本3歳優駿、1998年にクリオネーでトゥインクルレディー賞などを制覇。2007年5月に引退し、2008年6月に厩舎を開業。2008年10月に開業初勝利を挙げますが、初勝利をもたらしたのは的場文男騎手。そして、今回の重賞初制覇をもたらしたのも的場騎手でした。

  表彰式:佐宗調教師 1_1 佐宗応和調教師

  表彰式:的場文男騎手 2_1 通算6,900勝も見えてきた的場文男騎手

 今回の勝利で、重賞での惜敗にピリオドを打ったケイアイレオーネ。2歳時には兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ)を制し、3歳時には海外に遠征しUAEダービーにも挑戦と、期待の大きかった馬。南関東移籍後は堅実な走りを見せているので、今後も南関東重賞戦線での活躍が楽しみな1頭です。

的場 文男 騎手 過去の大井記念優勝馬 

 1983年(第28回) ミサキネヴァー[大井]
 1987年(第32回) ダツシユホウシヨウ[大井]
 1992年(第37回) ハシルショウグン[大井]
 1993年(第38回) ハシルショウグン[大井]
 1998年(第43回) カワノスパート[大井]
 1999年(第44回) ゴールドヘッド[大井]
 2001年(第46回) ドラールアラビアン[大井]
 2005年(第50回) ケージーチカラ[大井]
 
 今回も含め、9勝すべてが大井所属馬での勝利というのも、珍しい記録ですね。


ケイアイレオーネ[牡6]  大井 佐宗 応和 厩舎

 父:Henny Hughes 母:モストリマーカブル(母の父:Marquetry)

 生産者:富田牧場(北海道浦河郡浦河町)
 馬主:亀田 和弘 氏
 通算成績(2016年5月18日現在):25戦6勝(内 JRA 18戦4勝)
 
重賞勝ち鞍

 2012年11月29日 園田 兵庫ジュニアグランプリ(JpnⅡ) JRA所属時
 2013年9月28日 JRA阪神 シリウスステークス(GⅢ) JRA所属時
 2016年5月18日 大井 大井記念(SⅡ)
プロフィール

チーム南関

Author:チーム南関
中川明美(競馬ブック記者)
辻井光多郎(日刊競馬記者)
小川慎介(フォトグラファー)
若松亮太(フォトグラファー)
山田環(ライター)

”チーム南関”が南関競馬の裏のウラまで?!話題を探して奔走します!

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